【「狐火の家」貴志祐介先生(ネタバレ注意)】密室だらけの本格ミステリー短編集!あらすじ・感想をまとめてみた!防犯探偵・榎本シリーズ2作目!

ミステリー(国内)

こんにちは、きなこぬこです。

今回は貴志祐介先生の「狐火の家」を読んだ感想についてまとめていきます。

今作は防犯探偵・榎本シリーズ2作目の短編集ですね!シリーズ1作目の「硝子のハンマー」は、2005年に日本推理作家協会賞を受賞しています!

2012年にはシリーズ3作目の「鍵のかかった部屋」のタイトル榎本径役:大野智さん、青砥純子役:戸田恵梨香さんでドラマ化されています!


引用元:鍵のかかった部屋CM-2

あらすじ

狐火の家

狐火が出ると言われる村に住む西野真之が出張から帰宅すると、愛娘の愛実が息絶えていた。愛実が帰宅してから西野が帰宅するまでの間に家の玄関を通った者はおらず、家中の戸締りはしっかりされている。唯一家の北側の大きな窓は開いていたが、窓の外は泥濘になっており足跡を残すことなく窓から出ることは難しい。密室を解くために呼ばれたものの困り果てた青砥純子は、防犯コンサルタントの榎本径に助力を求める。

黒の牙

死亡した友人のペットを引き取りたいと主張する古溝俊樹と共に訪れたのは、青砥がこの世で最も苦手な存在—―蜘蛛が大量に飼育されているアパートの一室だった。十日前にその部屋で飼っている蜘蛛に噛まれて死亡した桑島の事故の話を聞いた青砥は、いくつかの違和感から事件性を疑い始める。しかし、桑島が死亡した時に彼が部屋で一人だったことは証明されている。大量の蜘蛛がいる密室で起こった殺人について、青砥は榎本に相談する。

盤端の迷宮

顔なじみの鴻野光男刑事に呼び出されてプロ棋士の竹脇伸平がホテルの部屋で刺殺された現場を訪れた榎本。現場のドアにはチェーンがかけられており密室になっていた。竹脇の恋人で自身も棋士である来栖奈穂子と共に、容疑者たちから話を聞いて捜査を進めていく。

犬のみぞ知る Dog knows

前作の「硝子のハンマー」の事件が起こった会社での秘書の仕事を辞めて女優の夢を追う松本さやかが所属する劇団『土性骨』の座長が殺害される。関係者は声を揃えて同じ劇団の二枚目俳優・飛鳥寺が犯人であると主張するが、人が来たら吠えまくる番犬の鳴き声が犯行時刻前後に聞かれていないことから密室が成立していた。

以下はネタバレを含みます。

感想

今作は4編が収録されているバラエティ豊かな短編集でしたね!予想外のトリックがたくさん登場してとても楽しかったです!本格ミステリーとしてきちんとヒントを全て提示してくれているにも関わらず、全く解けませんでした……悔しい……

本格ミステリーの作品はトリックに比重を置いて展開するイメージが強いのですが、このシリーズでは本格ミステリーとしてトリックを暴いていく過程だけではなく、登場人物たちが非常に魅力的である点がとても好きです!

表題作の『狐火の家』榎本の犯罪者らしさが溢れる展開でしたね!青砥の弁護の対象である西野が犯人であることに気付きながらも、それっぽい密室からの脱出方法を提示することで依頼内容は果たすという笑 確かに愛実を殺した犯人は西野ではないですから、愛実の殺害に関しては西野は無罪ですしね。真相に気付いた上で真相を暴くことだけが解決ではないと考えている彼の思考が見えるエピソードですね!

『黒い牙』青砥と同じく蜘蛛が嫌いな私にとってはかなり読み進めるのが苦痛でした……何故猛毒を持った生き物を手に乗せるなんて私には絶対できないです。この話は生き物を使った密室トリックで、犯人にとっても結構リスキーだったなのではないかと思いました。蜘蛛で蜘蛛の着ぐるみを作成して被せるなんて発想ができるのは本当に恐ろしいですね……

『盤端の迷宮』は将棋の世界にもルールにも明るくないので読み始めた時不安でしたが、将棋について全然分からなくても十分楽しむことができました!榎本は相変わらず意志が強く賢い女性に対する自己顕示欲が強いですね……そういう女性に対する劣等感があったりするのでしょうか?2008年の作品なのでスマホが普及してないのは仕方ないですが、被害者の竹脇が携帯すら持っていなかったのは結構驚きました!

『犬のみぞ知る Dog knows』は今作で唯一のバカミスでしたがしっかりミステリーでした!とはいえ、個性的な劇団員たちの名前が気になってなかなか内容が頭に入りませんでした笑 最初から犯人が分かりきっており、関係者の間にも全く緊張感がないという不思議な状況で物語が進み、さらに密室を作り上げているのは食い意地の張った誰にでも吠えまくる犬というのはとても面白かったです!

まとめ

いかがでしたか?今回は貴志祐介先生の「狐火の家」についてまとめさせていただきました。

最後まで読んでいただきありがとうございました!

防犯探偵・榎本シリーズの他の作品はこちら!

1作目 「硝子のハンマー」

3作目 「鍵のかかった部屋」

コメント

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