【「鍵のかかった部屋」貴志祐介先生(ネタバレ注意)】死体が閉じこめられている密室の鍵を開けていく短編集!あらすじ・感想・考察をまとめてみた!防犯探偵・榎本シリーズ3作目!

ミステリー(国内)

こんにちは、きなこぬこです。今回は貴志裕介先生の「鍵のかかった部屋」を読んだ感想・考察についてまとめていきます。

今作は防犯探偵・榎本シリーズ3作目ですね!シリーズ1作目の「硝子のハンマー」は、2005年に日本推理作家協会賞を受賞しています!

2012年には榎本径役:大野智さん、青砥純子役:戸田恵梨香さんでドラマ化されています!


引用元:鍵のかかった部屋CM-2

あらすじ

佇む男

葬儀会社の社長が山荘で部屋の扉と硝子テーブルに挟まれるようにして座った姿勢で死体で発見され、部屋には息子の専務に全財産を譲ると書かれた自筆の遺書が残されていた。顧問司法書士の日下部は社長の息子と共に第一発見者となるが、その経緯に違和感を感じ、密室事件を解決してきた実績を持つ青砥純子と榎本径と共に山荘へと趣く。

鍵のかかった部屋

サムターン回しを得意とする前科持ちの元泥棒・合田愛一郎は、三年前ぶりに訪れた亡き妹の家で、甥が鍵を閉めた自室で自殺している現場に遭遇する。内側から施錠された扉に窓と扉の隙間には目張り、部屋にはクリスマスのような飾り付けがされてバーベキューコンロが置かれていた。甥が自殺すを信じるとは信じられない合田は姪と共に、純子と榎本に事件の捜査を依頼する。

歪んだ箱

教師の杉崎は、同じく教師の婚約者との新居に建築後の地震でトラブルが起こる。雨漏りがあり、床が傾き、扉は枠が歪んで開閉に支障がある。責任を取ってもらうため家を建てた工務店の社長である竹本と話すが、和解できずに殺害する。家を密室にして去った杉崎だったが、榎本の登場により警察に疑われてしまう。

密室劇場

座長が役者に殺害された劇団「土地骨」は、劇団名を「ES&B」に変えて活動を続けていた。新作のお披露目に招待された純子と榎本だったが、劇中に出演者が殺害される。衆人環視の中舞台を横切らないと入ることのできない楽屋で起こった事件を解決するため、純子と榎本は劇団員から話を聞いていく。

以下はネタバレを含みます。

感想

今作はシリーズ3作目の短編集ですね!前作の「狐火の家」も今作と同様に全て密室ミステリーを扱っている短編集でしたが、出入口を見張る人物がいることで密室になっていたり、殺害時に被害者がひとりでいることが確認されていたりと広義の密室ミステリーが多かったですが、今作は観客の目が密室を作り上げている『密室劇場』以外は狭義の密室ミステリーが扱われていましたね!そのため、タイトル通り出入口に鍵がかけられている密室で事件が起こっており、防犯コンサルタントとしての榎本の知識が活かされていましたね!

『佇む男』では、お葬式のように死体が飾り付けられている異様な状況に目が行ってしましましたが、犯人によって思考の過程を誘導されているという考え方にはびっくりしました!作中の世界では密室専門弁護士として純子が着々と有名になっていることが分かって笑ってしましました。

タイトルになっている『鍵のかかった部屋』は、物理の知識を駆使した密室の作られ方が面白かったです!人間味のない義父である高澤は少し怖かったですが、過剰の飾り付けされた異常な部屋の状況を見た榎本が言った「理系は余計なことはしないという」理論が証明されていきましたね!

『歪んだ箱』では、欠陥住宅の特徴を活かしたトリックでしたね!今回の短編集で唯一の犯人視点での物語でしたが、確かに警察でも事件関係者でもない正体不明の男に追い詰められる犯人からすると辛いでしょうね……人を殺しているので同情の余地はないですけどね笑

前作の『犬のみぞ知る Dog knows』に登場する劇団「土地骨」が再登場する『密室劇場』は、人間の認識力の死角をついたトリックによって衆人環視の中で堂々と殺人が行われていて驚きました!個人的には榎本が涙を流して抱腹絶倒していた姿を是非見てみたいと思いました!思わず笑ってしまう「土地骨」シリーズは今後も続いていくのでしょうか?純子も榎本も真面目な人間なので、個性的な彼らが出て来てくれるだけでコメディ感が増しますね!

まとめ

いかがでしたか?今回は貴志裕介先生の「鍵のかかった部屋」についてまとめさせていただきました。

最後まで読んでいただきありがとうございました!

防犯探偵・榎本シリーズの他の作品はこちら!

1作目 「硝子のハンマー」

2作目 「狐火の家」

コメント

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