こんにちは、きなこぬこです。
今回は東野圭吾先生の「聖女の救済」を読んだ感想・考察についてまとめていきます。
今作はガリレオシリーズ5作目になりますね!
同シリーズの9作目「沈黙のパレード」は「容疑者xの献身」、「真夏の方程式」と同じく湯川学役:福山雅治さんで、前作から9年ぶりに映画化されました!
引用元:【主題歌KOH+】『沈黙のパレード』予告<9月16日(金)公開>【最新映像】
あらすじ
IT関連の会社の社長である真柴義孝が自宅のリビングで毒殺された。妻の綾音は夫が殺害されていた日は旅行のため不在であり、鉄壁のアリバイがあった。 綾音を訪ねた草薙と内海だったが、草薙は綾音に強く心惹かれてしまう。草薙の気持ちに気づいた内海は、草薙が職務外の自身の感情のせいで判断が鈍っていると考えて湯川に相談に訪れる。 毒物を盛られた方法が分からずに捜査が難航する事件の裏には、女たちの強かな思惑が渦巻いていた。
以下はネタバレを含みます。
感想
前作で内海とワトソン役を交代した草薙でしたが、今作では彼が主人公でしたね!
自身の個人的な恋愛感情と刑事としての職務の間で板挟みになりつつも、草薙の刑事として信念を曲げない姿が描かれていました!
ワトソン役ではなかったからこそ、湯川の語る学生時代のエピソードや内海の目を通して見る先輩刑事としての姿がより客観的に描かれていましたね。物理は苦手な草薙なので、このシリーズでは湯川の方がかっこよく見えてしまうのですが、今回は彼の葛藤を乗り越えた姿がかっこよかったです!
今作はシリーズの他作品ほど物理がトリックに絡んで来なかったのは少し残念に思いましたが、それを補って余りある程の女性たちの複雑な心理描写や草薙刑事というキャラクターの掘り下げがあって面白かったですね!
考察
今回は草薙の心中の葛藤の描き出し方が秀逸だなと思ったので、その部分について書いていこうと思います。
学生時代の草薙のエピソードを湯川が持ち出す場面なのですが……草薙がある日、二匹の生まれたての子猫を部室に拾って来たものの、かなり弱っていて、誰の目から見ても助からない様子なのは明らか。それでもかいがいしく世話をする草薙に対して友人がそんなことをしても死んでしまうと声をかけると、草薙が「それがどうした」と返した、というお話です。
そして湯川は、綾音を見る草薙の目が猫の世話をしていた時と同じであると続けます。
草薙が猫が助からないと分かっていても自分のできる限りのことを尽くして世話をしていた、というエピソードですが、この猫を見る目と綾音を見る目が同じというのはどういうことなのでしょうか。
恐らく、草薙は綾音が犯人であることを何となく勘付いていたのではないかと思います。しかし、個人的には恋愛感情を抱いてしまっているため、犯人かもしれないと思いつつも限られた範囲のできることをしていたのでしょう。
最終的には「僕は君のことを、感情によって刑事の信念を曲げてしまうような弱い人間ではないと信じている」という湯川の信頼通り刑事として事件を解決した草薙ですが、彼の胸中の葛藤と、彼の実直な性格が見事に表現されたシーンでしたね!
まとめ
いかがでしたか?今回は東野圭吾先生の「聖女の救済」についてまとめさせていただきました。
最後まで読んでいただいてありがとうございました!
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