【「妄想銀行」星新一(ネタバレ注意)】各SSのあらすじ・感想をまとめてみた!古い作品なのに新しい!

SF

こんにちは、きなこぬこです。

今回は星新一先生の「妄想銀行」を読んだ感想についてまとめていきます。

この本には32篇のショートショートが収録されています。

あらすじ

保障

無色の青年があるチラシを見つける。そこには、〈お客さまをご信用し、現物はすぐにお届けいたします〉と書いてあった。青年はさっそくクーラーを注文する。

大黒さま

元旦の夜、うつらうつらしていたエヌ氏の元に幸福を授けてくれる大黒さまが現れる。

あるスパイの物語

あるスパイが緊急招集され、密使として他t国に潜入し、そこの同志に書類を届ける任務を与えられた。しかし、彼は敵国に捕まってしまう。

住宅問題

無料のアパートに住むエヌ氏は、毎日自宅で様々な商品のコマーシャルを聞きながら、コマーシャルを聞かなくても良い優良の住宅に住むことに憧れていた。

信念

「善良であってはたいした人生を送ることができない」という信念を持った男が、自身の目的を達成するために努力する。

半人前

エヌ氏ががけの近くを歩いていると、今にも自殺しそうな男がいたため声をかける。男は自分のことを半人前というが、エヌ氏は男を雇うことにする。それからエヌ氏の身の回りで不思議なことが起こり始める。

変な客

高級美術店に拳銃を持った男が入店する。警報ボタンを押して警察を呼ぶ店主だったが、拳銃は偽物であり、嘘つき呼ばわりされてしまう。

美味の秘密

美味しいものを食べることが生きがいのエヌ氏は、美味しい料理を出す小さな店を見つける。何故こんなにも美味しいのか店主に尋ねると、店主の持つマスコットが原因だと教えられる。

陰謀団ミダス

抜けたところのある男は、就職するために面接を受けるが、失敗してしまう。偶然手に入れた住宅の設計図を頼りに泥棒に入るが、それを待ち構えている人物がいた。そして男は陰謀団ミダスへ入団することとなる。

さまよう犬

若いある女は、たびたび同じ犬が何かを探し続けている夢を見ていた。

女神

容姿に満足していない女は、美しい人形をいじめていた。ある日女の部屋に人形の女神が現れ、女は美しくなりたいと願う。

海のハープ

恋人と喧嘩した女が海辺を歩いていると、ハーブを発見する。そのハーブを弾くと男が寄ってきて愛を囁くことに気付いた女は、そのハーブを利用することにする。

ねらった弱味

隠し事をしている人間を見抜ける元教師の男は、他人を強請って生活していた。ある日男は他人を利用して強盗を行うことを計画する。

ある日鍵を拾った男だったが、何の鍵か分からないため手あたり次第ぴったり合う鍵穴を探していく。

繁栄の原理

地球から調査のために様々な惑星を廻っていた宇宙船。とある文明のある惑星に到着した調査員たちは、その星が繁栄していることに驚き、その星の者にその秘訣を聞く。

味ラジオ

口の中に入れた装置によっていろんな味を楽しむことができる味ラジオがあるおかげで無味の食物を食べ、本物の味がついた食べ物を食べない人たち。ある日、味ラジオが突然壊れてしまう。

新しい人生

自分をロボットだと思い込んでいたため精神科に入院していた男は、医師から全快したと告げられ、書類を手渡されて退院する。しかし、入院している間に彼を取り巻く環境は大きく変化していた。

古風な愛

古風な家柄の女性と恋に落ちた俳優。女性の父親に結婚を反対され、女性は俳優に心中することを提案する。

遭難

事故により宇宙で遭難したエヌ氏は、救助隊の捜索を待っていた。しかし、何もすることがなく気が狂いそうになる。

金の力

五年前に盗んだ金を木の下に埋めて隠していた洋三は、金を回収するために五年ぶりに隠し場所に向かう。しかし、その木の生えている場所は私有地になっていた。

黄金の惑星

宇宙船に乗っていると救難信号を受け取ったエヌ博士。黄金の惑星があると聞き急いで向かいますが、救難信号を送って来たはずの宇宙船は見当たらない。だが、本当に大量の黄金があり、エヌ博士たちは歓喜する。

敏感な動物

ビルの警備についていた青年は、ネズミたちが下に向かって移動していることに気付く。不気味に思い別のビルに変えてもらうが、そのビルでもネズミたちは同じように移動していた。

宇宙の英雄

遠い星から救難信号を載せた小型ロケットが地球に届く。誰もが対応しようとしない中、1人の宇宙パトロール隊員が何とかして辿り着くことを決心する。

魔法の大金

遊んでばかりのエヌ氏は、金に困り、悪魔を呼びだして願いを叶えてもらうことにした。

静かなホテルに泊まった青年がかかってきた電話に出ると、電話口から自分の声が聞こえて驚く。音楽を聴いてもラジオをつけても自分の声が聞こえ、恐怖に呑みこまれていく。

人間的

財産家のアール氏はエフ博士に対して完璧すぎるロボットに面白みがないと話す。エフ氏が修行をしてきたロボットのことを話すと、アール氏は興味を持ってそのロボットを借りることにする。

破滅

麻薬密輸業者が潜む家に押し入った警察は、主犯の男を捕らえる。しかし、男は警察の目の前で隠し持っていた薬を飲み込み倒れてしまった。

博士と殿さま

タイムマシンを発明した博士は、過去に行って殿様に会いお金をもらうために助手と共にタイムスリップする。

小さな世界

大金持ちのアール氏の元に自動車の販売員が訪ねてくる。販売員は特別製デラックス型の車のプレゼンを始める。

長生き競争

広告代理店に勤めるエヌ氏はある企画を提案するt。それは、各製薬会社がモルモットの世話をして、どのチームが一番長生きしたかを競うものだった。

とんでもないやつ

石器時代に洞窟で一人で暮らしていた怠け者のグウは、品物の交換にやってきた人物を見つけ、何とかして何か手に入れようと考える。

妄想銀行

エフ博士は念願だった妄想を取り出してカプセルにして他の人に販売する方法を発明し、妄想銀行を経営する。

以下はネタバレを含みます。

感想

ショートショートなので、長くても15pほどの話が収録されていてとても読みやすいです!また、短い中にも起承転結がしっかりあり、オチが毎回面白かったです!

個人的には「鍵」がお気に入りです!見つけた鍵にピッタリ合う鍵穴を生涯をかけて探す男の話ですが、最終的には目的ではなくその過程に意味を見出します。とても素敵な物語だなと思いました。

収録作は全体的にSFが多く、宇宙や近未来の話が多いと感じました。何年も前に公開された作品ですが、あとがきにあるように今読んでも全く古い感じがせず新鮮でした。

まとめ

いかがでしたか?今回は星新一先生の「妄想銀行」についてまとめさせていただきました。

最後まで読んでいただいてありがとうございました!

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