こんにちは、きなこぬこです。

今回は森見登美彦先生の「太陽の塔」を読んだ感想についてまとめていきます。

今作は第15回ファンタジーノベル大賞を受賞しています!

かしのこおり先生により漫画化もされています!

あらすじ

クリスマスに湧く京都で女性とは縁がなく寂しく過ごす京大の学生の私。一年前に別れを告げられた元恋人である二学年後輩の水尾さんのことを研究するため、彼女についてまわる日々を送っていた。クリスマス当日が迫る中、友人の飾磨は四条で「ええじゃないか騒動」を起こすことを企む。そんなある日、夜中に京都の街中を走る叡山電車を見つけた私は、その電車を追いかける。

以下はネタバレを含みます。

感想

私自身が大阪出身なので、遠足(大阪で小学生時代を過ごした方は結構あったのではないでしょうか?)や万博公園の近くのショッピングモールに出かけた時に太陽の塔を何度も見たことがあります。しかし、大阪とは言っても市内から遠く北の方にあるため、そんなに頻回に見に行くことはありませんでした。それでも、作中で主人公である「私」や水尾さんが太陽の塔に魅了された気持ちはとても分かります。一度見たら決して忘れることの出来ない、インパクトの強い姿をしていますよね笑 電車で向かった時に徐々に太陽の塔が姿を現す様子を描いている部分はとても共感しました!作中で触れられていますが、普段は中に入ったり登ったりできないのに内装もすごいとは噂に聞いているので、いつか機会があれば塔の中に入ってみたいなぁと思い続けています笑

大阪出身の私としては太陽の塔が京都の大学生である私の恋にどう絡んでくるのかワクワクしながら読み進めていました、まさか夜の京都の街中を走る叡山電車に乗って万博公園に辿り着くとは思っていなかったので驚きました笑 幻想的でロマンティックな夢の世界での登場ですが、太陽の塔の唯一無二の個性が馴染むのが凄いですよね。

「私」は冒頭からずっと、「自分は正しい、周りは間違っている」ということを主張し続けています。そもそも生まれる時代を間違えてしまっただけで、本来はもっと評価される時代に生まれるべきであったと考えています。主人公の「私」は、自分の個性や能力は周囲からもっと評価されるべきであるのに、周囲はそのことを理解できていないと考えているようです。彼はきっと、圧倒的な個性で何者をも寄せ付けない雰囲気を纏いながらも、堂々と立っている太陽の塔に憧れを抱いているのでしょう。

個人的に印象的だったのは飾磨が語った羊の話です。何も考えずに幸せに暮らす羊と、自分が羊であることを分かりつつも幸せを感じられない羊。一見両者に違いなど見当たらないが、よく見ると後者は黙々と凝ったうんこを出している。それが飾磨自身であると語っています。何の脈絡もなく突然差し込まれた語りですが、主人公や飾磨たちの苦悩が表されているように感じました。一般的に周囲から評価されないことに対して全力で悩み、取り組む彼らは、自分が周囲と同じ人間であることは分かっていながらも、どこか特別であると信じることを諦めきれていないのではないかと思います。何者かになり得ると思えることは若さの特権であると思いますが、現実の自分との齟齬に苦しめられる悩みの種ともなるでしょう。モラトリアム期である大学生時代は、この矛盾とじっくり向き合うための時間なのかもしれませんね。

まとめ

いかがでしたか?今回は森見登美彦先生の「太陽の塔」についてまとめさせていただきました。

最後まで読んでいただきありがとうございました!

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