【「ひとんち」澤村伊智先生(ネタバレ注意)】あらすじ・感想をまとめてみた!親しい人の家にも異常なルールがあるかも?

ホラー

こんにちは、きなこぬこです。

今回は澤村伊智先生の「ひとんち」を読んだ感想についてまとめていきます。

あらすじ

ひとんち

学生時代にバイト先で知り合ったものの就職後疎遠になっていた女友達と偶然再会し、結婚している昔からお嬢様だった香織の家に集まる主人公と恵。何気ない会話に二人の自分との違いを感じて劣等感を感じてしまうが、卑屈になっていたことに気付き会話を楽しむ。家によって独特なルールがあるという話で盛り上がる中、恵が離婚した夫の家での奇妙な体験を話し始める。

ゆめの行き先

薙刀を持った老婆に追いかけられる夢を3日連続で見た小学生の晃は、本屋で立ち読みした本を参考にしたおまじないを試すことで悪夢から解放される。教室で前の席に座る匡も同じような夢を見ていることを知る。さらには他の同級生たちも晃や匡が見た夢と同じ夢を見ていることが分かり、その順番にはある規則性があることに気付く。

闇の花園

小学校で臨時教員として働く吉富大介は、担任をしているクラスの中で浮いている飯降沙汰菜を気にかける。個人面談で母の瑠綺亜と話すが、会話がかみ合わず戸惑う。母によって売春をしているという噂を聞いた吉富は二人が夜の町にいる姿を発見する。

ありふれた映像

仕事終わりにスーパーで息子を預けていた友人と会った津田真理が目を離した隙に姿を消した息子たちは、販促ビデオを食い入るように見ていた。息子たちが言う通りにそのビデオを良く見てみると、死体が映りこんでいた。その後、津田のバイト先でも立て看板のための映像を作成するために、撮影に参加することになる。

宮本くんの手

同じ会社で働く宮本は、血がにじむほどに手がボロボロになっていた。その症状は日が経つにつれてひどくなっていたが、3月11日の大震災の後休んでいた宮本が次に出社した時には手がきれいになっていた。

シュマシラ

小学生時代に蒐集していた食玩の戦隊シリーズをきっかけに知り合った食玩蒐集家の柳と川勝。妖怪をモチーフにしたシリーズの中に、「シュマシラ」という有名ではないものがあったため元ネタを探していた三人は古い書物の中でその記載を発見する。その後川勝が失踪し、彼の足取りをたどるため柳と共に播磨へと向かう。

死神

仕事を辞めて規則正しい生活をしていた植松は、友人の日岡から旅行の間植物とペットの面倒を見てほしいと頼まれる。鉢植えや蛹、ハムスター、金魚を任された植松だったが、その後から記憶が飛ぶようになる。さらに、一週間後にはハムスターが共食いして死んでしまう。少しずつ違和感が強くなっていく植松だったが、日岡とは連絡がつかなくなってしまう。

じぶんち

スキー旅行から帰って来た卓也が家に帰ると、家族の姿がなかった。困惑しながら家を捜索するが、何故か同じものが二つある。そこに友人の豪から電話で不可思議な言葉を聞く。

以下はネタバレを含みます。

感想

澤村伊智先生の比嘉姉妹シリーズ以外の短編集を読んだのは初めてでしたが、非常にバリエーション豊かな視点と切り口で、怪異のみではなく人の怖さも描き出していてとても面白かったです!

表題作の「ひとんち」では、家庭によってルールが存在するという当たり前のことを切り口に、自分と同じ価値観を持っていると思っていた人が全く異なる価値観を持っていたことが少しずつ暴かれていく展開に震え上がりました。家とうのは社会の最小単位といわれていますが、非常に閉鎖的な空間ですよね。実際に中に入ってみる機会もなかなかないですし、他人にとって居心地の良い場所とも言い難いです。

元旦那の実家で裸にされて黒い鳥居の描かれた狭い部屋に入れられたという話ですが、その家で祀っている「何か」が鳥居の描かれた部屋のいたのかもしれませんね。田舎ではなかったとのことですが、家によっては神様や神様とは言えない怪物のようなものを祀っているところもあると聞いたことがあります……もしかしたら形だけの儀式ではなかったのかもしれません

これは怪異的な怖さがあるエピソードですが、この話の中心にあるのは人の狂気による怖さですよね。

香織の家でずっと上の階にいた「ワンちゃん」、それはイヌ科の犬ではなかったみたいですね……出生前診断で異常があった子を堕ろしたと話した恵の発言に対して産めばよかったのにと話し、「ワンちゃん」と言っていることから、何かしらの先天的な障害を持った人間を「ワンちゃん」と呼び、人間としての権利も尊厳もはく奪した状況で閉じ込めていることが分かります。そして、何よりも怖いのが香織がその異常な行為を当たり前のことであると考えている様子です。

主人公からすると、これまで仲良くしていた友人が突然怪物になったように感じてしまいますよね……

ちなみに、主人公が飼っている猫のミィちゃんは本当に猫なのでしょうか?猫の髭を顎鬚と呼ぶのでしょうか……?もう何も信じられませんね笑

「ゆめの行き先」夢を見る原因や意味は分からないけれど規則性はあるという不思議な話ですね!「夢を見ると怖いことが起こる」なら分かりますが、ただただ規則性に則って順番に同じ夢を見ていくという展開は変わっているように感じました。対抗手段がないこと、そして二種類の夢が交差するとどうなってしまうのか予想ができないことで恐怖が増しますね。最後に唯一実害を被った宮尾がいじめっ子であることから、もしかしたら宮尾を嫌うクラスの誰かが呪いでもかけたのかもしれないなと勝手に思ったりしています笑

「シュマイラ」では怪異を探して兵庫県へと向かいますが、個人的に以前作中に登場した地名の近辺に住んでいたのでかなり怖かったです笑

最後の「じぶんち」は、旅行から帰ってきたら自分の家が突然『ひとんち』になってしまう恐怖体験が描かれていましたね!「この星の~」と話していることから地球外生命体による侵略でしょうか?何かしら組織として動いているみたいですが……ある日突然隣の家の人が得たいのしらない「何か」にそっくりそのまま入れ替わっていても分からない、というのは本当に怖いですね。

まとめ

いかがでしたか?今回は澤村伊智先生の「ひとんち」についてまとめさせていただきました。

最後まで読んでいただいてありがとうございました!

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