【「écriture 新人作家・杉浦李奈の推論Ⅳ シンデレラはどこに」松岡圭祐先生(ネタバレ注意)】世界中のシンデレラ物語の原典を探る!あらすじ・感想をまとめてみた!écritureシリーズ4作目!

ミステリー(国内)

こんにちは、きなこぬこです。今回は松岡圭祐先生の「écriture 新人作家・杉浦李奈の推論Ⅳ シンデレラはどこに」を読んだ感想についてまとめていきます。

今作はécritureシリーズ4作目ですね!

あらすじ

女子中高生を中心に絶大な人気を誇る新人作家REN。凄まじいスピードで新刊を刊行しその全ての売れ行きが好調ではあるものの、文章は稚拙で文学界からは相手にされていなかった。そんなRENの作品が、既刊の売れていない作家の隠れた名作をパクって書かれていることが発覚する。これまで出版業界の問題を解決してきた李奈の元にも同業者からRENによるパクリ被害の相談が届いていたが、自身の著書もパクられていたことが明らかになる。集団訴訟に向けての動きがある中、李奈の元に「シンデレラの原典を探れ」という指示と、納得いく回答を出せない場合は身近な人に危害を加えるという内容が書かれた脅迫メールが届く。

以下はネタバレを含みます。

感想

今作では新人作家によるパクリ事件とシンデレラの原典探索が並行して進行していきます。一見無関係なふたつの事件ですが、最終的にはひとつに収束していく過程が面白かったです。まさか小説のパクリを否定する根拠のために、宗教も文化も異なる世界中の夢見る女性たちの物語として同時多発的に生まれたことを背理法としてシンデレラの原典が存在しないことで証明しようとするとは……その発想はありませんでした笑 

一度目の解析では関連が見られず私も読んでいて少し悲しく思ったのですが、二度目に口伝等を中心にして解析した結果では関連が見られてホッとしました!作中の解析結果ではシンデレラの物語の発祥は日本であると結論付けられましたが、実際はどうなのでしょうね!調べてみたものの、色々と説があるようでよくわかりませんでした。

私個人としては大好きなディズニー作品のアニメーション映画「シンデレラ」のイメージが強く、それよりも残酷なお話としてグリム童話のシンデレラを知っていたぐらいで、作中で紹介されたように世界中にこんなにもたくさんのシンデレラの物語があるということは今作を読んで初めて知りました!その国の文化や社会、風習などが組み込まれていて地域によって差異はあるものの、どれも不遇な生活を強いられる女性が権力者に見初められて幸せになるという筋書きは共通しており、この物語の筋書きがどんなに辛くても現実世界を生き抜いてきた世界中の女性たちの憧れだったことが分かりますね!そのことを考えると、今作では原典が明示されたものの、偶然同じあらすじの物語が世界各地で生まれたという説も否定できないですよね。

どんどん成長していく杉浦李奈の活躍が今後も楽しみですね!ところで、あとがきでも触れられていますが、出版業界に関する事件に巻き込まれ続けている李奈が、『トウモロコシの粒は偶数』以降作品を書けていないのは私も心配です……!今回の活躍で益々周囲の人に頼られることになってしまいそうですが、彼女が作家として大成することを応援しています!

まとめ

いかがでしたか?今回は松岡圭祐先生の「écriture 新人作家・杉浦李奈の推論Ⅳ シンデレラはどこに」についてまとめさせていただきました。

最後まで読んでいただきありがとうございました!

écritureシリーズの他の作品はこちら!

1作目「écriture 新人作家・杉浦李奈の推論」

2作目「écriture 新人作家・杉浦李奈の推論Ⅱ」

3作目 「écriture 新人作家・杉浦李奈の推論Ⅲ クローズド・サークル」

5作目 「écriture 新人作家・杉浦李奈の推論Ⅴ 信用できない語り手」

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