こんにちは、きなこぬこです。今回は早見和真先生の「店長がバカすぎて」を読んだ感想・考察についてまとめていきます。
今作は店長がバカすぎてシリーズ2作目ですね!また、2020年本屋大賞ノミネート作品です!
あらすじ
本をこよなく愛する契約社員の谷原京子は、武蔵野書店という街の小さな本屋で書店員として働いていた。憧れの先輩や可愛い後輩に囲まれて働く毎日だが、ひとつ、彼女にはどうしても許せないことがあった。それは……店長がバカすぎること。長すぎる朝礼、噛み合わない会話、仕事のできなささと、店長の一挙手一投足に腹が立って仕方がない。薄給で理不尽なことも多い書店員という立場に対し不満を抱きつつも憧れていた先輩である小柳と共に働けることを心の支えにしていた京子だったが、ある日小柳から突然辞職することを告げられる。
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以下はネタバレを含みます。
感想
本当に店長がバカすぎて、ついつい声を出して笑ってしまいました笑 やることなすこと京子の癇に触ってしまっているのがすごい笑 しかも本人は空気を読めない(あえて読んでないのでしょうか?笑)ので京子が怒っていることにも気付かないという……
ですが、結局京子は辞めたいと思い続けながらも店長のおかげで思い留まっているんですよね。店長はバカですが、書店員たちだけではなく周りの権力者や腰を低くして応対しなければならない相手に対しても全身全霊をかけて自身の芯を貫き通して関わっています。その点では尊敬できる人物で元気をもらえました。
お仕事小説としても、書店に通うのが大好きな私としては本屋さんで働く書店員さんたちの日常や苦労が覗けて面白かったです!
また、日常でのちょっとした事件をきっかけにして、京子が感じている漠然とした将来への不安や仕事に対して浮き沈みしてしまう心境や社会の理不尽に対する不満がリアルに描写されていて、読んでいる読者も京子の感じる思いに共感する部分が多くあり、京子を応援しながら読み進めていました!
予測不能な行動をとって書店員たちを困惑させる店長ですが、自力ではどうすることもできない理不尽な問題に対して真正面から店長がぶつかって正論を言葉にしてくれる爽快感がこの作品のおもしろさの一因かなと思います笑
店長ほどバカに生きることは難しいですが、これもひとつのリーダー像なのかもしれません笑
考察
この店長は本当にバカなの?
結論から言いますと、店長がバカであることは間違い無いと思っています笑
最後の最後に店長はピエロを演じており、バカであるように見せかけていたという可能性について提示されています。これに関して否定をする気はありません……ですが、「バカと天才は紙一重」ですよね?
仮に彼があえてバカっぽく振る舞っていたとしても、空気を読めない行動を取ったり、社員をイラつかせたりしてる時点でバカであることは否定できないのではないかと思います笑 周囲の利益にもなりそうにもないようなバカっぽい行動も作中多くみられますしね笑 店長はバカではありますが、純粋で全力投球な人物なのだと思います。
朝礼が長く、書店員であるにも関わらず書籍の知識がありません。しかし、この2点を視点を変えてみてみます。
毎日長い朝礼をするのって、すごい労力がいるのではないかと思います。もちろん、この手の物は聞いている方にとって苦痛でありますが……長い朝礼を毎日するってことは、それだけ朝礼で話すネタを毎日しっかり仕込まなければできません。書店員たちにたくさん伝えたいことがあったのかもしれません。
また、本の知識がないことに関しては担当の書店員の顔を立てるためとも考えられます。自分が担当していることは自分が1番知っていた方が、担当者としての立場が確立されているように感じられて自己肯定感を得られますよね!店長はなんだかんだ言って京子が紹介した小説はすぐに読んでいたみたいですし、進んで知識を得る気はなくてもすぐに行動に移すことが出来る人物です。
以上のことから、店長はバカではあるものの、自身の店舗で働く従業員たちに対し全力で向き合っているのではないかと思いました。
なんだかんだ京子も何度も辞職を思いとどまっていますし、京子の能力を正当に評価しています。また、店長の人柄があるからこそ、働きやすい職場環境を作り上げることができています。店員たちに気兼ねなく話しかけており、店長であるにもかかわらず非常に従業員との距離が近いなと感じました。
京子は内向的な性格のため不平不満を心に溜め込んでしまうようですが、店長にはしっかりとぶつけられています。彼女の性格を理解したうえで、彼女がストレスを溜め込みすぎないように関わっていたのかもしれませんね。そう考えると、非常に人を見る目があります。
従業員だけではなく、忖度することなく周囲の人々にもぶつかり、従業員を守っていました。
仕事ができないというのは致命的ではありますが……実は優秀な上司なのかもしれません笑
まとめ
いかがでしたか?今回は早見和真先生の「店長がバカすぎて」についてまとめさせていただきました。
最後まで読んでいただいてありがとうございました!
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