こんにちは、きなこぬこです。
今回は西尾維新先生の「怪盗フラヌールの巡回」を読んだ感想についてまとめていきます。
あらすじ
仲の良い家族と何不自由なく暮らしてきたあるき野道足は、父が交通事故で亡くなったことをきっかけに、父は世紀の怪盗フラヌールだったことを知り、自分たち兄妹が犯罪による利益で育てられてきたことにショックを受ける。同じくショックを受けた弟は失踪し、妹は入水自殺の末精神を病んでしまう。道足は父がこれまで集めてきた盗品コレクションを返却すべく、乳母の艶子の協力の元、二代目怪盗フラヌールとしての活動を始める。返却にも慣れてきた頃、艶子から竜宮城から盗んできた玉手箱の返却を提案され、警察出禁の名探偵・涙沢虎春花と共に海底にある大学を訪れる。
以下はネタバレを含みます。
感想
西尾維新先生のデビュー20周年記念新シリーズ第1作として始まったこちらのシリーズ、主人公は過去に盗んだお宝を返却していく怪盗フラヌールことあるき野道足。彼は父が事故で亡くなったことをきっかけに、敬愛していた父が犯罪者である怪盗フラヌールであったことを知りショックを受けます。妹のふらのは同じくショックを受けて入水自殺の末に精神年齢が後退、弟の軍靴は失踪してしまいます。あるき野一家は父が怪盗であったことが明らかになったことで散り散りになってしまいます。
残った道足は二代目怪盗フラヌールとして、乳母と協力しながら、父が長年かけて集めてきたお宝の数々を返却していきます。怪盗がお宝を盗むのではなく返却していくというのは新しいですね!
父が過去に竜宮城から盗み出した玉手箱を返却するため、海底にある大学を訪れる道足。怪盗の天敵である名探偵・涙沢虎春花と行動を共にせざるを得ない状況になった上に、幼い頃からお世話になっている刑事・東尋坊と共に海底で過ごすことになってしまった道足でしたが、彼らの目を盗んで堅牢な金庫内に玉手箱の返却ことに成功します。
しかし、玉手箱の中に入っていた劇薬を使って、学長が殺害されてしまいます。ここまで普通の怪盗ものかと思って読んでいたので、まさか他の殺人事件が起こるとは思っておらず驚きました!しかも刺殺に絞殺、毒殺、病死……殺されすぎて死因がわかりません笑
ここから展開が一気にクローズドサークルのミステリーになり、その意外な犯人にも動機にも脅かされてばかりでした!
フラヌール(flaneur)はフランス語で特に目的もなくふらふら歩く人のことを指しているそうです。まさしく初代怪盗フラヌールのあるき野散歩の名前そのものですが、主人公はこの名前に反して明確な目的を持って活動していますね笑
兄は父を否定し、弟は父を肯定する――正反対の道に進んでしまった二人ですが、根っこには自分たちを育て上げてくれた父に対する敬愛があるのだと思います。今後も道足がお宝を返却する活動を続ける限り、それを阻もうと動くのが弟の軍靴になるのでしょう。彼らが和解できることを願いたいものです。
新シリーズの始動と明記があり、巻末でも次回作の予定があることは触れられていますね!続編が楽しみです!ハッピーゴーラッキー!
まとめ
いかがでしたか?今回は西尾維新先生の「怪盗フラヌールの巡回」についてまとめさせていただきました。
最後まで読んでいただきありがとうございました!
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