【「逆ソクラテス」伊坂幸太郎先生(ネタバレ注意)】合言葉は「僕は、そうは、思わない」!あらすじ・感想をまとめてみた!

日常

こんにちは、きなこぬこです。

今回は伊坂幸太郎先生の「逆ソクラテス」を読んだ感想・考察についてまとめていきます。

第33回柴田錬三郎賞を受賞、2021年このミステリーがすごい!では15位にランクインしています!さらに、2021年本屋大賞では4位にランクインしました!

あらすじ

逆ソクラテス

ある日転校生の安斎が、クラス内でどこか見下されている草壁に対する担任の久留米先生の評価を改めさようと言い始める。これは決して草壁のためだけではない。久留米先生の「決めつけ」を覆すための戦いが始まる。合言葉は、「僕は、そうは、思わない」!

スロウではない

転校生である高城かれんは、司や悠太、村田花と同じく走るのが早い生徒ではなかった。運動会が近づく中、司と村田はくじ引きでリレーの選手になってしまう。選手ではない悠太や高城と共に、チームのメンバーで放課後に集まって繰り返し練習する。そうして運動会当日を迎えるが……

非オプティマス

将太は自身の担任の久保先生をどこか頼りなく思っていた。周囲も同様のようで、授業中に生徒がふざけて大きな音をたてて缶ペンケースを落としても怒れない彼はなめられている。ある雨の日、ひょんなことから仲良くなった転校生保井福生と共に久保先生の姿を見つける。

アンスポーツマンライク

歩たち5人は小学校最後のミニバスの試合で相手チームに善戦するもわずかにリードされる。残り1分、「永遠」のように感じる時間を精一杯戦い抜くが、駿介がうっかりアンスポーツマンライクファウルをして負けてしまう。それから数年後、5人が久しぶりに集まった時に事件が起こり、止まった時間が動き始める。

逆ワシントン

幼少期のワシントンは桜の木を切ってしまったことを正直に謝って褒められた――謙介は母が昔から繰り返し話すこの逸話を気に入っていた。ある日学校を休んだ靖にプリントを届けに自宅を訪問すると、若い父が出てきて何か後ろ暗い様子で対応される。虐待を受けているのではないかと思い、靖の様子を確認するために謙介は試行錯誤する。

以下はネタバレを含みます。

感想

さすがは伊坂先生、全ての短編が軽やかで読みやすくて、それでいてそれぞれに強いメッセージがしっかりと含まれています!読後もとっても爽やかで、どんどん読み進められます!

『逆ソクラテス』では、自分がどう思うかよりも周りがどう思うかに振り回されてしまっている私達に、「僕は、そうは、思わない」と主張し、人と違っていたとしても自分の意見を持つことの大切さを教えてくれます。小学生にとっては教師は模範的人間であり、彼らの言うことは正しいと考えてしまいそうですが、その教師と反対の意見を主張するというのはなかなか勇気がいることだと思います。先入観という敵に立ち向かい、ソクラテスのように自分の知識や価値観を疑い続ける姿勢の大切さを学びました!

個人的には「アンスポーツマンライク」が一番好きです!恐らく登場人物たちの年齢に近かったのと、私自身も学生時代に部活に打ち込んできたので共感できる部分が多々あったからかと思います。物語の最後のアンスポーツマンライクファウルの使い方が最高にエモいです!5人のミニバス時代の試合の最後に重なる上に、された側はフリースローを打つ権利がある=犯人にはやり直すチャンスがまだまだあると伝えていて、1つの言葉にここまで深みを持たせられる表現は本当に素敵だなと思いました!そして、テーマが重いのに読後感が爽やかであることも良いですね!

それぞれの短編に印象的なセリフやワードがあって、それらが物語の中心となっているテーマを引き立てているのがとても好きでした!

まとめ

いかがでしたか?今回は伊坂幸太郎先生の「逆ソクラテス」についてまとめさせていただきました。

最後まで読んでいただいてありがとうございました!

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