こんにちは、きなこぬこです。
今回は城平京先生の「虚構推理 スリーピング・マーダー」を読んだ感想・考察についてまとめていきます。
今作は虚構推理シリーズ3作目ですね!
2019年にアニメ化一期が放送されています!
引用元:「虚構推理」公式 YouTube
現在アニメ2期放送中です!
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あらすじ
余命宣告された大富豪の音無剛一は、琴子に財産分与の優先権を与えるための家族会議に立会人として参加することを依頼する。議題は「23年前に音無剛一が妻の澄を殺したことを合理的に説明せよ」。23年前に妖狐と取引をして妻を殺害してもらった剛一は、この会議で罪を犯せば報いがあることを示そうとするが……はたして琴子は合理的な推理へと参加者たちを導くことができるのか。
以下はネタバレを含みます。
漫画では何巻に収録?
今作収録作は漫画版では以下に収録されています!
「岩永琴子は高校生だった」→20話(9巻)
「六花ふたたび」→23話、「明日のために」→24話(10巻)
「スリーピング・マーダー」→25~28話(10~11巻)
感想
今作では岩永琴子の高校生時代のエピソードがあって面白かったですね!高校生の頃から色んな人達からの相談を受けて論理的に解決していた琴子ですが、九郎と出会う前の方が落ち着きがある深窓の令嬢といった雰囲気ですが……大学生になってからの琴子の様子は高校生時代よりも楽しそうで微笑ましいですね笑
自分の「知恵の神」という立場が普通の人とは異なっており、自分と関わることで他人が秩序の外の出来事に巻き込まれてしまう可能性を考えていたのかもしれません。そうだとすると、最初から秩序の外の存在である九郎は琴子にとって気兼ねなく一緒にいることができる存在なのかもしれませんね。
スリーピング・マーダーは完全に人間側の都合で介入することになった事件であり、妖怪たちの困りごとを解決していくことが多いシリーズ内でも少し珍しいお話だなと思いました。過去のことであっても秩序を破った者にはその制裁を下す……やはりおひいさまは苛烈で可憐ですね!
考察
依頼人である音無剛一の長女、薫子が真犯人であることをみんなの前で暴いた琴子。真相を明らかにすることなく、これまでのシリーズでやってきたように虚構を作り上げてその場にいた全員を納得させることも彼女にはできました。しかし、琴子は過去の罪を暴くことを選んでいます。
私はただ、音無会長が頼るべきでない力に頼られたと示したかっただけですので。
と語っていた琴子ですが、このような悲劇的な結末に至ってしまった原因は、剛一が認識していた秩序と琴子の守ろうとしている秩序が一致していなかったことにあるのではないでしょうか?
音無剛一は琴子に今回の立ち合いを依頼する時、がんの告知を受けた時の心境を以下のように語っています。
「この体の状態を聞いた時、実は安堵したんだ。ようやく私に殺人の報いが訪れるのかと。直接手を下していなくとも、明確な殺意をもって妻を殺す依頼をした。これは一片の曇りない殺人だ。しかるべき罰があるべきだ。でなければ秩序に反している」
この言葉から、剛一は自分の過去の殺人に対してしかるべき罰があるべきであり、罰を与えられることが秩序にかなっていると考えています。彼が求めていたのは殺人を企てた自分の行動に対する因果応報であり、自分の悪い行いに対して報いがあるという秩序に則った考えでした。
一方の琴子は、剛一に対して以下のように話しています。
「ご自身の手で奥様を殺そうとされていれば、あるいは理外の誘惑を振り払っていれば、たとえご長女でも、奥様は強盗殺人に遭ったと信じて天寿をまっとうされたでしょう」
この言葉と最初に引用した琴子の言葉を合わせて考えると、琴子が剛一に与えた罰は理外の存在に頼ったことに対する因果応報であり、人間と理外の存在がむやみやたらに関わり合ってはいけないという秩序に則った考えでした。
以上のことから、剛一と琴子では罰を与えるべき行動の認識が異なっており、この違いは彼らの考える秩序の定義が違っていたことで生じたものであることが分かります。このことから、琴子は剛一が受けるべき罰は剛一が思っているように殺人を犯したことに対するものではなく、理外のものに簡単に縋ってしまおうとする姿勢であることを示したかったのでしょうね!
まとめ
いかがでしたか?今回は城平京先生の「虚構推理 スリーピング・マーダー」についてまとめさせていただきました。
最後まで読んでいただいてありがとうございました!
コメント
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