【「青くて痛くて脆い」住野よる先生(ネタバレ注意)】あらすじ・感想・考察をまとめてみた!映画化作品!

青春

こんにちは、きなこぬこです。

今回は住野よる先生の「青くて痛くて脆い」を読んだ感想・考察についてまとめていきます。

こちらの作品は2020年に狩山俊輔監督により、田端楓役:吉沢亮さん、秋好寿乃役:杉咲花さんで映画化されていましたね!

 あらすじ

 大学の就活支援団体「モアイ」は、定期的に社会人との交流会を開き、就活を有利に進めるための活動をしている巨大な学生団体である。モアイは3年前、たった二人の口約束から始まった。設立者の田端楓は、もうひとりの設立者である秋好寿乃が最初に掲げていた理想からどんどん外れ、変わってしまったモアイを元の姿に戻すため、行動を起こす。今はもういない、秋好を惜しみながら。輝かしく、痛く、苦しい……青春の中でもがく姿をリアルに描き出した作品。

以下はネタバレを含みます。

感想

完全に騙されましたね…

秋好は死んだものだとばかり思っていたので……死んでないことが分かってびっくりしました。「ヒロ」っていうあだ名が男性名みたいで、恐ろしいミスリードですよね笑

個人的には秋好と楓のどちらにも共感できず、ただただ痛くてしんどく感じてしまった作品でした。

強いて言うなら、秋好の方がまだ共感できるかもしれませんが……

主人公が自らのエゴで行動したことで秋好を傷つけている姿、青春っぽかったです。

自身の学生時代の想いを思い出すきっかけにはなりました。ただ、個人的にはあまり好みでのお話ではなかったかもしれません…

考察

楓は何をしたかった?

自分じゃない、を貫く生き方で。間違ってない。

間違ってるはずない。間違っては、いない。はずだ。

就活をして楓が感じたことですが、楓は、”自分”とは何かという思考に至り、大学一回生の頃の秋好との思い出を振り返っていきます。いろいろ考えて楓がたどり着いた”自分”がしたいこと「秋好のついた嘘を本当に変える」ということでした。

では、秋好がついた嘘とは何だったのでしょう?そして、この物語で楓は何がしたかったのでしょう

まず大前提として、楓は全く自分を持っていません。

大学4回生という社会に出る一歩手前の存在であるにも関わらず、未だにモラトリアム期を脱して自身のアイデンティティを確立できていないんです。

そのことから私は、楓は人間として成熟しきれていないのではないかという印象を受けました。

また、自分が何をしたいのか考えた時に、”自分のため”ではなく”秋好のため”と責任転嫁して突き進んでいます。自分が望んでいることを他人を理由にして行動しているところにも、未成熟さを感じますね。

楓は動き出しの動機付けからまず間違っているのではないでしょうか?

理想から現実へと目を向けて、自身の理想を実現させるために理想と現実の擦り合わせをしていった秋好に対し、理想を見続けることしかできていなかった楓は、秋好とみている物が変わっていってしまったとを感じます。楓は、秋好が自分の期待したことに応えてくれなかったことを、”嘘をつかれた”と表現しているのでしょう。

このことから、楓という人物は、自分の気持ちと向き合うことができず、他者に動機付けを委ね責任転嫁する、自己中心的な人物であると感じました。

途中からは、モアイを潰そうとする自分に酔っている感じがしましたし……本当に秋好の気持ちを尊重しようとするならこんな手段はとらないと思うんですよね笑

秋好のためと理由を付けてモアイを壊そうとしていた楓でしたが、本当に彼がしたかったことは、昔のように秋好と楽しく理想を語りあって、思い立った場所に出かけて、冗談を言い合って仲良くすることだったのではないでしょうか。

その思いに自分で気づくことが出来なかったからこそ、遠回りして秋好を傷つける結果になってしまったのでしょうね……やるせない……

まとめ

いかがでしたか?

今回は住野よる先生の「青くて痛くて脆い」についてまとめさせていただきました。

最後まで読んでいただいてありがとうございました!

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