こんにちは、きなこぬこです。
今回は七尾与史先生の「無邪気な神々の無慈悲なたわむれ」を読んだ感想・考察についてまとめていきます。
あらすじ
一年前に孤児の瑠偉と出会い、養子として迎えた辻村京子と正樹。三人が出会ってから一年の記念に子供を神として崇める児宝島に向かう。前日に落ちた隕石の影響で船が出ず困っていた鶴見夫婦と共に児宝島に辿りつくが、そこで待っていたのは島の大人たちの凄惨な死体、そして武器を手に大人を襲う無邪気なこどもたちだった。彼らに瑠偉を攫われた京子と正樹は、こどもたちの襲撃から逃れながら瑠偉を奪還して島を脱出することができるのか。
以下はネタバレを含みます。
感想
ゾンビ映画のようなパニック系のサスペンスでしたね!偶然訪れた旅行先で訳も分からない状況に巻き込まれるとは恐ろしいですね……しかも絶海の孤島で脱出手段もありません。子供たちに対抗するための突破口もなく、戦力差も圧倒的。終始絶望感が凄かったです。
無邪気なこどもたちが悪意ではなく無邪気さをもってして臓物が飛び散る凄惨な死体をどんどん作りだしていく様子はかなり怖かったです。
もし自分が同じ状況になったらどうやって生き残ろうとするだろうかと考えながら読んでいましたが、私なら確実に瑠偉を置いて一度島を脱出しますね。大人の死体はそこら中にありましたが子供の死体はどこにもなかったことから、瑠偉が殺されることはまずないことが予想できたのではないかと考えられます。本拠地の校舎に入るのは自殺行為としか思えませんでした……
読後感は悪いものの、スリリングで面白い作品でした!
考察
結局最後までこどもたちが突然猟奇的になった原因が明かされなかったので、考察していきたいと思います。
大人たちが殺されてから時間が経っていなかったことから、彼らが大人を殺し始めたのは隕石が落ちて以降であることは分かります。また、人間に危害を与える電波を開発している研究所が近くにあるとうう情報が出ています。このことから、隕石が落ちたことにより研究所で開発されていた何等かの電波が島に届いてしまったのではないかと思います。
電波と書きましたが、もしかするとモスキート音のようにこどもの耳にしか聞こえない音なのではないかと予想しています。灯台守の源次郎の行きつけのスナックのママであるノゾミは、息子と同じ部屋で過ごしていたにも関わらず何も起こっていませんでした。しかし、ノゾミが起きてから彼女の息子が差し出したジュースには毒物が入っていました。スナックは基本的に防音であることが多いのではないでしょうか?もしも何かしらの音が島中のこどもたちをおかしくしてしまっていたとしても、音が聞こえない場所にいるのであれば問題ありません。しかし、京子たちの一行がスナックの扉を開閉してしまったことにより音が聞こえてしまったのではないかと思うのです。
以上のことから、近くの島で研究開発していたこどもを猟奇的にする音が隕石が墜落した影響で児宝島に聞こえるようになってしまったのではないかと考えられます。
まとめ
いかがでしたか?今回は七尾与史先生の「無邪気な神々の無慈悲なたわむれ」についてまとめさせていただきました。
最後まで読んでいただいてありがとうございました!
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