【「トロッコ」芥川龍之介先生(ネタバレ注意)】あらすじ・感想・考察をまとめてみた!

名作(国内)

こんにちは、きなこぬこです。

今回は芥川龍之介先生の「トロッコ」を読んだ感想・考察についてまとめていきます。

角川文庫のこちらのカバー!

ご存知の方が多いと思いますが、てぬぐい専門店 かまわぬとのコラボなんです!

このシリーズが可愛くて、ついつい購入してしまいます笑

1.あらすじ

八歳の良平は、土工の使っているトロッコに惹かれていた。以前人がいない時に年下の子たちと共にこっそりトロッコで遊んだが、見つかった時に土工に怒られてしまっていた。

ある日トロッコを見に工事現場へ行くと、親しみやすそうな若い男二人がトロッコを押していた。思い切って声をかけてみた良平が見た景色とは…?

以下はネタバレを含みます。

2.感想

超有名作品ですね!笑

本当に短い作品ですが、その中でも良平の心情の振れ幅はトロッコと同じように高低差の激しいものになっています笑

幼い彼にとって、突然自分の生活圏から遥か彼方へ来てしまうことはかなりの恐怖であることでしょう。

子供の頃読んだ時は若い男たちは本当に親切だなと思ったものですが今読み返してみると、遠くまでトロッコに乗せてきた幼い子供をその場に放置するという…恐ろしく無責任な人間であることに気づいてしまいました笑

別に意地悪をしようとしたのではないのでしょうが、もうちょっと心配したりしてあげても良かったのではないかと思ったり…

良平が後先考えずにトロッコに乗ってしまう気持ちはわかりますけどね笑

きっともう二度と乗りたいと思うことはないのではないのでしょうか。

普通にトラウマになってしまいますよね笑

3.考察

良平はずっと憧れていたトロッコについに誰にも咎められることなく乗ることができます。しかし、彼が最後に感じたのは、喜びではなく恐怖でした。

レールの上にあるトロッコは、ジェットコースターのようなものですよね。坂道を上る時は自分で押さなければいけませんが、登った後はスリルが待っています。

行きは一緒だった土工は帰りにはおらず、1人で家に帰ることになる良平。

しかも、辺りは暗くなり、遠い知らない土地から…

「命さえ助かれば―」という思いで駆け抜けた良平でしたが、別に命の危険はありません。それでも彼がそう感じたのは何故でしょうか?

心細さからでしょうか?知らない場所は迫る夜の闇に対する恐怖でしょうか?

おそらくは、先行きが見えないことに対する恐怖ではないかと思います。

そのことに対して彼は命の危険を感じたのではないでしょうか。

この感覚はきっと、私たちも日々感じているのではないかと思います。

明日はどうなるのか、来年はどうなるのか、この先の自分はどこに向かいどうなってしまうのか…進む足元にレールはあるかもしれませんが、それがどこに繋がっているのかは誰にもわかりません。進んでみなければわからないのです。

それでも、良平と同じく「命さえ助かれば―」という思いで日々を生きています。

大人になった良平が思い出す暗い中家に向かい線路の上を駆け抜けた時のことを思い返すのは、未来や将来への漠然とした不安の表れなのではないかと思いました。

4.まとめ

いかがでしたか?

今回は芥川龍之介先生の「トロッコ」についてまとめさせていただきました。

最後まで読んでいただいてありがとうございました!

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