こんにちは、きなこぬこです。今回は早見和真先生の「新!店長がバカすぎて」を読んだ感想・考察についてまとめていきます。
今作は店長がバカすぎてシリーズ2作目ですね!また、前作の「店長がバカすぎて」は2020年本屋大賞にノミネートされています!
あらすじ
前作から三年、武蔵野書店 吉祥寺本店に山本猛店長が戻って来た!社員になっても尽きない悩みに奮闘する谷原京子は、店長が戻って来た初日からかつての怒りを思いだす。異常な程長い朝礼を繰り返し、新しく仲間になったバイトの女の子と騒ぎ、父の料理屋のメニューに助言する店長にイラつく京子だが、社長の息子が代替わりすることをきっかけ
以下はネタバレを含みます。
感想
前作がきれいにまとまって終わっており、店長も別の店舗に転勤していたので続編が出ることはあまり期待していなかったのですが、続編として登場した今作でも吉祥寺店に戻って来た店長たちの活躍が再び楽しめて嬉しかったです!
前作に引き続き谷原京子の視点から書店員としての生活が描かれています。前作のラストで山本店長のおかげで社員に昇格した京子でしたが、社員になってもこれまでと変わらず苦悩の日々を送っています。山本店長や京子の父、仮面作家だった大西先生は今作も登場しますが、加えて掴み所のない新人アルバイトの山本多佳恵や、現社長の息子であり次期社長のジュニアが登場し、物語を盛り上げてくれます。
個人的には「社長のジュニアが~」の下りが最高に面白くて、ひとりで大爆笑してしまいました笑 あの店長すらも焦って一生懸命ジェスチャーで下ネタであることを伝えようとしている姿もとても面白かったです!動画まで取られて拡散されてしまった京子でしたが、この件がまさかの良い方向に向かうという展開にも驚いてしまいます。
そして、作中の登場人物たちがこぞって絶賛するマーク江本作『ステイフーリッシュ・ビッグパイン』を是非読んでみたいなと思いました!笑 どんなお話しなんでしょうか?どんでん返しがあるみたいですが……
京子は最終的に店長になることなく、山本店長が続投する形になりましたが、次回作が出るならついに京子が店長となった姿が見られるのでしょうか!そして、最期のトークショーにいた女の子が京子の役割に収まってバカな店長に対して不満いっぱいな書店員になってしまうのでしょうか?
声を出して笑ってしまうくらいに面白くて、等身大の自分を曝け出しながら書店員という仕事に真摯に向き合う登場人物たちを描いた素敵なお仕事小説の店長がバカすぎてシリーズ、続編も期待して待っています!
考察
今回も前作の時と同じく、実は有能なのかもしれない山本店長のことを考えていきます!
まず、店長がいかに本を大切にして書店員という仕事に臨んでいるのかについてです。前作発売から今作が出るまでに起こったコロナウイルスによる世界的パンデミックがこの世界でも経験していることが示唆されており、武蔵野書店吉祥寺本店に多大な影響を与えたことが描かれています。前作から引き続き、書店員の先輩であり京子の良き理解者である小柳真理も登場しますが、彼女が店長と務めたのはコロナ禍で書店が大忙しになった時で、忙しさで余裕を失くしてこれまで大事にしていた本が好きという気持ちをおざなりにしてしまったことを語っていました。このエピソードのおかげで、どんな時でも仕事に対して真摯な態度で臨み、本を大切にする山本店長がいかにすごいのかが分かりますね。
そして、今作では店長は京子を将来的に店長になれるように指導することを目指していました。京子は反発していましたし、京子の主観で描かれる物語なので具体的にどのように教育したのかは明記されていませんでしたが、実は店長はしっかり教育していてすごいなと思いました!京子がジュニアから次期店長に指名された時は不貞腐れているように描かれていますが(実際そうなのかもしれませんが)、自身がやるべき店長としての業務を京子にまわしていたみたいです。京子に少しでも店長としての業務を覚えてもらおうと考えていたのかもしれません!さらに、リニューアルオープンのための準備期間には体調不良で休んでしまいますが、そのおかげで京子が主導となって他の書店員たちにリニューアルオープンに向けた陣頭指示を出すことが出来ています。以上のことから、店長は作中でしっかりと京子に店長としての指導をしているのです!京子の視点から見ているので仕事を丸投げされているようにも見えてしまいますが……きっと意図があると信じています笑
上記から、店長は他人の気持ちを慮ることができていないという点においてはバカではあるけれど、書店員としての姿勢や後輩の指導においては敏腕書店員なのかもしれませんね!
まとめ
いかがでしたか?今回は早見和真先生の「新!店長がバカすぎて」についてまとめさせていただきました。
最後まで読んでいただきありがとうございました!
コメント
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